タブレットに見るソーシャルなデバイスの可能性 (2) ~ iPad でその可能性を確信 ~

榊原 春己
2010年4月28日

4月12日に開催された TechCrunch Japan が主宰する Startup Meeting vol.4 のテーマは「iPad 登場で何が変わるのか?」。私も参加しましたが、なにより会場に詰めかけた超満員のお客さんの多さにびっくり。皆さんの iPad への期待の熱気が充満しておりました。

iPadを囲んで楽しそうに操作している人たちの写真

(余談ですが、TechCrunch Japan はソシオメディア株式会社のグループ企業である DESIGN IT!, LLC が運営しています。TechCrunch に渾身のサービスをひっさげてやってきた起業家とソシオメディアのコラボも始まっていたりしますが、これはまた別のところで。)

会場には自分の iPad をもってきた方が5,6名ほどいらっしゃって、ラスト1時間の懇親会では、iPad を中心にした輪がいくつもできました。

これらの写真はその様子です。

私は先のエントリで、タブレットコンピュータは1台を複数人が使うソーシャルなデバイスになる可能性があるのでは、と書きました。
短い時間でこれを完全に検証することはできませんが、「可能性は大いにある」ことは確信しました。
ソシオメディアのオフィスでの使用も含めて、次のようなことがわかりました。

iPhone と比べて画面が大きく、タブレット型(単なる板)なので画面を覆う物がなく、周りにいる人でも表示されている内容は十分にわかる。
もちろん、文章、動画、ゲームなどコンテンツによって360度だれでも読める、あるいは理解できるわけではありません。しかし、正面のユーザーと両脇にいる人は、ほとんど差なくどんなコンテンツでも同じ度合いで理解できました。
(ただし、光の映りこみが気になることは確かです)

タッチは、正面の人だけでなくてもできる。つまり、正面でなくても操作できる。
人さまの iPad を断りもなしにタッチする人はいませんが、いったん「どうぞ」と言われれば、自然にタッチしています。画面が複雑でなければ、正面の両脇、左右45度くらいならば、正面とほぼ変わらずに操作できます。正面の反対側、つまり画面が逆さまに見えている人でも、単純な画面では苦になりません。
iPad を囲んだ3~4人が、ひとつのアプリを、それぞれがタッチしながら、「ひとつのコンテキスト」を共有することができるのです。

「タブレットという形状」と「タッチという操作方法」のどちらか一方だけでは、ソーシャルなデバイスにはなりえないようです。両方をあわせもった「タッチタブレット」がソーシャルなデバイスになりえるのです。

パーソナルな方向へと進んでいたデバイスやガジェットとは別の流れができつつあります。今はほんのわずかな湧水にしかすぎませんが、数年後には世界でも代表的な大河になる可能性は十分にあるでしょう。