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1. シンプルにする
機能や情報を厳選し、できるだけ要素を少なくする。あらゆるデザインジャンルにおける基本原則。
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2. 簡単にする
利用方法を効率化し、目的達成までの手順と労力をできるだけ減らす。
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3. メンタルモデル
ユーザーが想像する利用モデルに合った構成と動きにする。学習可能なイディオム(慣用表現)によってユーザーに利用モデルを与える。メタファを用いて概念や機能性を伝える。
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4. シグニファイア
操作対象となる要素が見えていて、その意味が一目でわかるようにしておく。ユーザーがすでに知っている表現や自明な形状などを用いて使い方を示唆する。例えば、押せるものは押せそうに、押せないものは押せなさそうに見せる。
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5. マッピング
操作する所と結果が反映される所の対応を把握できるようにする。そのために、位置関係、形、色、記号などによって手掛かりを与える。
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6. 一貫性
配色、形状、配置、振る舞い、などに一貫したルールを適用する。同じ性質のものは同じ表現、違う性質のものは違う表現にする。一貫性はそのデザインにおける論理の体現であり、ユーザーがシステムの使い方を推測したり学習したりするための基本的な手がかりとなる。
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7. ユーザーの主導権
システムがユーザーをコントロールするのではなく、ユーザーがシステムをコントロールできるようにする。システムの都合で強要する操作を減らす。システムの都合で一方的にユーザーの行動を制限しない。ユーザーが常に自分の意思にもとづいて選択し、作業を進められるようにする。
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8. 直接操作
画面上のオブジェクトに直接触れて操作しているような感覚を与える。身体的な動作に追従してリアルタイムに表示を更新する(フィードバック)。逆の操作をすることで前の状態に戻せるようにする(可逆性)。
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9. モードレス
できるだけモードをなくす。UIにおけるモードとは、ある操作の持つ意味が状況に依存して変化し、それによってユーザーに対して、現在可能な操作を限定したり、操作の順序を固定的に強制する状態のこと。UIがモードレスあれば、ユーザーは自由な順序で作業を行うことができる。
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10. 視覚ゲシュタルト
人の知覚は対象要素を個別に認識するのではなく全体的な枠組みから規定される(ゲシュタルト心理学)。この特性を利用し、近接、類似、閉鎖といったパターン(プレグナンツの法則)を用いてレイアウトし、要素同士のグループ関係を効果的に示す。
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11. ユーザーの言葉を使う
インターフェース上で使う文言は、システム内部の技術用語や運営者の業界用語ではなく、ユーザーが普段使っている一般的な表現を用いる。
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12. ユーザーの記憶に頼らない
システムが表示するメッセージの内容やプロパティの値などについてユーザーが覚えていることを前提にしてはいけない。参照すべき情報はそれが必要となるその場で参照できなければいけない。
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13. コンストレイント
ユーザーの行動を意図的に制限することにより、誤操作を減らしたり有効な使い方を促したりする。例えば、ハサミはそのハンドルの形状によって持つ方向を制限して、常に刃が正しい向き(力を加えやすく、切り口も見えやすい向き)になるようにしている。
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14. プリコンピュテーション
先人がすでに見つけている最適値をプリセットにしたり、デザインの過程で再利用する。例えば、炊飯器のめもり、電子レンジの料理別タイマー、AT車の変速タイミング、ウォシュレットの的、プログラムの各種アルゴリズムなど。
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15. エラーを回避する
操作ミスを起こしにくくする。エラーメッセージをわかりやすく示すことも大事だが、それ以前にエラーが起きないように工夫することが重要。まぎらわしいものをはっきりと区別したり、状況的に意味のない操作はディスエーブルにするなど。
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16. フィッツの法則
パソコンで画面上の要素をマウスなどで指し示すのには、現在のポインターからの距離が小さくターゲット面の奥行きが大きいものほど短い時間で済み、ポインターからの距離が大きくターゲット面の奥行きが小さいものほど長い時間がかかる。つまり近くて大きいものほどポイントしやすく、遠くて小さいものほどポイントしにくい。
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17. ヒックの法則
選択肢の中からひとつを選ぶ場合、選択肢の数に比例して時間がかかる。選ぶものが決まっていたとしても、選択肢が多ければその分の時間がかかる。
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18. 複雑性保存の法則
プロセスを単純化しようとしても限界がある。この複雑性は減らせず、移動できるのみ。複雑性をできるだけユーザー側からシステム側に移動した設計にすることで操作性を高めることができる。
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19. タスクコヒーレンス
ユーザーが、昨日行ったことを今日も行う可能性は高い。これをタスクコヒーレンスと呼ぶ。つまりユーザーが最後に行ったことを覚えているだけでユーザーの行動を正しく予測したのと同じ効果がある。
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20. メジャーなタスクに最適化する
大多数のユーザーが行うタスクに合わせて必要な情報や機能を前面に出す。80%のユーザーは全機能の20%しか使わない(パレートの法則)。すべての要求を等しく扱うと結果的に誰にとっても使いにくいものになるため、メジャーな要求への対応を優先する。
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21. パースエージョン
説得的な仕掛けでユーザーの行動を促す。使い方のガイド、レコメンデーション、心理的な報酬、他者との比較、バーチャルリアリティ技術やシミュレーション機能による疑似体験、などによってユーザーを動機づけしたり意思決定を促したりする。
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22. ショートカットを用意する
経験あるユーザーが頻繁に実行することについて、通常の段階的な操作を短縮してより速く行う方法を提供する。キーボードショートカット、ブックマーク、ジェスチャ、ヒストリーなど。
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23. オブジェクトベースにする
要求からオブジェクトを抽出してUIに反映する。要求をそのまま手続的になぞっただけの機能提示では、操作体系としてのまとまりに欠け、効率が悪く分かりにくいシステムになる。要求からその原理となるオブジェクト(関心の対象、客体、目当て)を抽出し、ユーザーがそれらオブジェクトに直接働きかけながら目的を達成できるようにする。
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24. ビューはオブジェクトを表象する
インターフェースは、オブジェクト(ユーザーの関心の対象である概念物)を表象するビューの集まりによって構成される。またひとつのオブジェクトは複数のビューによって異なる表現を持つことができる。