ソシオメディア UX戦略フォーラム 2017 Fall – 世界のメソドロジストによるエクスペリエンスアプローチ

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本フォーラムは盛況のうちに終了いたしました。

2017年秋のUX戦略フォーラムは「世界のメソドロジストによるエクスペリエンスアプローチ」と題し、世界6都市を回るUXカンファレンスのワールドツアー、 World Usability Congress の「UX World Tour 2017」と共同で開催します。
海外から6名、国内から2名のスピーカーを迎え、デザインメソッドや最新事例など、様々な立場での取り組みやエクスペリエンス推進の考え方を共有します。

参加申し込み
お申し込みの受け付けは終了いたしました

プログラム

英日/日英の同時通訳あり

  • 9:00 – 9:10
    主催者挨拶
  • 9:10 – 9:55
    Nobuhiko Hirayama
    株式会社内田洋行 執行役員
    知的生産性研究所所長

    働き方変革におけるシーンメイキングによる共感醸成
    Fostering empathy through scene-making in work style reformation

    加速する社会環境の変化の中で、多くの企業は社員の働き方の見直しを迫られています。働き方変革に着手する企業も増えていますが、なかなか成果が出ず苦労している事例も多く目にします。働き方変革のボトルネックはいくつかありますが、中でも多いのは制度設計や設備投資が先行し肝心の社員が働き方を変えることに対する共感を持っていないというケースです。変えることに対する共感が無い限り、人は慣れ親しんだ働き方を変えようとは思いません。
    本プレゼンテーションでは、社員が自ら在りたい働き方を「ものがたり」や「シーン」として描くことにより、変えることへの共感や期待感を醸成するプロセスをご紹介します。

  • 10:00 – 10:45
    Manabu Ueno
    ソシオメディア株式会社
    取締役

    プロレタリア デザイン
    Proletarian Design

    世間では様々なUXデザインの技法が語られていますが、それらのほとんどは、ビジネスオーナーにとっての経済プラス効果のみを評価指標としたものです。資本主義システムにおいて「ユーザー」は「消費者」と同義化され、ともすればデザインの価値は市場の即物的な要求に応える狡猾さによって測られてしまいます。

    またビジネスアプリケーションの分野でもUXデザインに取り組むことによる業務効率や生産性の向上が期待されていますが、システムオーナーが求めるのは管理者視点での問題解決に限定されたタスク合理性であり、ユーザーの人間性、創造性、批判性に着目した進歩的なアプローチはほとんど見受けられません。

    テクノロジーが持つ社会的なベクトルには大きく「統制」と「解放」があり、そのどちらにもデザイン技法が用いられますが、消費コンテクストを偏重したデザイン、管理目的に偏向したデザインは、ユーザー行動を「統制」することによって人と道具の相互発展スパイラルを断絶し、リベラルアーツを後退させる要因になるかもしれません。

    デザイン倫理、思弁的デザイン、情報プロレタリアートといったキーワードを耳にする昨今、我々デザイナーは「良いデザイン」をどのように定義し、デザインによって誰をエンパワーすべきなのでしょうか。この講演では、デザイナーが自覚すべき役割と、「解放」のためのデザイン技法について考えます。

  • 11:00 – 11:45
    Kwan Min Lee
    南洋理工大学 教授
    サムスン電子社 元UXグループ VP

    人類の進化とユーザーエクスペリエンス
    Human Evolution and User Experience
    本講演では、メディアやインフォメーションテクノロジーに対して私達が起こすリアクションや対処方法に対して、人類の進化の過程がどのように影響を及ぼしたのかについてお話します。
    その後、このような進化が我々に与える影響を理解することが、どのようにICT(information and communication technologies)製品やインターフェイスデザインに適用し、成功に導くかについてお伝えします。
    イノベーティブなIT製品を産み出すためには、以下の4つの項目について理解し、実行することが必要だと考えています。

    1. フォームファクターに対して進化的な対応をとること
    2. ユーザーを理解するためのセンサーテクノロジー
    3. 機械の要求や願いを証明するテクノロジー
    4. ソーシャルインターフェイス

    本講演では、私の学究的な経験とビジネスでの経験の両方の事例をお話します。進化心理学から、現在のサムスン社でのスマートメディアデザインまで幅広くご紹介します。

  • 11:50 – 12:35
    Craig Tomlin
    UXリサーチャー
    UXPA オースティン地域元代表

    ユーザー行動データとユーザビリティデータを用いてWebサイトを最適化する方法
    Using Behavioral UX and Usability Data to Optimize Websites

    本講演では、一般的に異なるデータと呼ばれる「ユーザー行動データ」と「ユーザビリティテストの分析結果」をどのように組み合わせて効果的なひとつのツールとして用い、あなたのWebサイトを改善してコンバージョンとROIを高めていくべきかを学ぶことが出来ます。
    Webサイト内での行動が示す「What」のデータと、ユーザビリティテストの結果が示す「Why」のデータを組み合わせることで、何がパフォーマンスを低下させているか、Webサイト内で最適化可能な箇所はどこなのか、またどのように改善するべきか、完全な360度視点で観察することが可能となります。
    本講演は定量的なデータの力と定性的なデータのインサイトを組み合わせてWebサイトを改善したいと強く願う全ての方にとって、きっとお役立ていただける講演になるでしょう。

  • 12:35 – 13:35
    昼食休憩
  • 13:35 – 14:20
    Johannes Robier
    Youspi 社

    “NASA product of the year” を受賞する製品をデザインする方法と私達が学んだこと
    How to design a “NASA product of the year” and our learnings out of it

    私たちは皆UXデザイナーです。私たちは常にベストを尽くして仕事に取り組みますが、素晴らしい賞を受賞するような成功に導く指針というものはあるのでしょうか? よりユーザーに受け入れられる製品を作る指針はいかがでしょうか?
    本講演では、私達がどのようにデュートロンの「NASA product of the year」を開発したのか、何にフォーカスして取り組んだのか、そして良い製品を作るための成功の鍵(KSF)についてお話したいと思います。私たちは皆グローバルに成功する製品を産み出すことが出来るのです。

  • 14:25 – 15:10
    Klaus Hofer
    CAT-i

    UXの間違いは人を殺してしまう! 安全性と文書化を切り離すことはできない
    UX errors can kill people! Safety and documentation cannot be separated

    現在の技術関連文書の慣習は、ストレス下にいるユーザーのニーズを満たすためには不十分です。とても上手に作られ、美しくデザインされた製品は、多くの場合において、運用担当者をパフォーマンスエラーへ導く不必要なリスクに晒しています。人間の認知プロセスの原則を当てはめることでしか、このリスクを測定可能な形で減らすことはできません。これは全ての行動に関する文書に当てはまります:
    – 標準
    – 手続き
    – プロセス
    – ガイドライン
    30年以上、認知科学、パフォーマンスストレス、心理言語学、そして行動パターンの領域で科学調査を行った経験が、このアプローチの基礎を作っています。
    ユーザビリティエンジニアリング行動ガイドの文書化は、文書開発者にとって必要不可欠なスキルセットとなりました。
    私たちは世界中の運用担当者が、認知科学と行動の原則に沿っていない運用を行うことのない日が来ることを目指しています。安全性と文書化を切り離すことはできません。

  • 15:15 – 16:00
    Joe Lanzisero
    クリエイティブコンサルタント
    ウォルト・ディズニー・イマジニアリング社 元クリエイティブVP

    ストーリーを通してエクスペリエンスをデザインする
    Designing Experiences Through Story

    本公演では、ストーリーや神話がどのように人間の体験を定義する上で重要性をもつのか、またどのようにストーリーを用いて、プロダクトに対するエンゲージメントを高めることができるのかについてお話します。
    ストーリーは裏の意味(サブテキスト)としても、物語としても示すことが出来ます。どちらの形になっているかで、デザインの選択を読み取ることができます。裏の意味(サブテキスト)としてのストーリーは、デザインチームがアイデアを合体させ、一体感を高め、必ずしも100%エンドユーザーへ明らかにされるものではないことに焦点をあて、しかしながら、副次的に良心的な効果をもたらすために使われます。物語としてのストーリーは、ストーリーが全面に示され、エクスペリエンスデザインの中心におかれ、本や映画のように、ストーリーがユーザーに開かれています。私が世界中で関わったディズニーでのプロジェクトから、両方のケースの例をご紹介したいと思います。

  • 16:15 – 17:00
    Monika Gerber Lanzisero
    ウォルト・ディズニー
    デザイナー

    なぜアートがUXに重要なのか
    Why Art matters to UX

    本講演のポイント:

    • 色、触感、形、音楽、そしてソフトデザインはユーザーをより深いUXへと結びつける
    • 映画、広告、建築の分野では、ユーザーとよりよい関係を築くためにアートを活用してきた
    • より深いユーザー体験を創り出す上で、アートは非常に大きな役割を果たす

    私は30年以上ユーザーを定義し、彼らとエンゲージメントを高めるためにアートを活用した体験を創り出してきました。映画、テーマパーク、そしてゲームでは、色、デザイン、そして音楽の力を活用し、観客(ユーザー)の心を掴んでいます。
    最近では、空港、美術館、そしてテーマパークのUXデザインに携わってきました。メディアに精通したユーザーが関わり、楽しむ場所です。この分野ではアートの原則の適用が、最も活かされるのです。

  • 17:05 – 18:05
    Klaus Hofer

    本日の講演で学んだスキルカタログ
    Skills Catalogue of Lessons Learned

    フォーラム全体を振り返り、各講演から学んだことをスキルカタログとして提示します。

  • 18:05 – 18:15
    ご案内
  • 18:30 – 20:30
    パーティー
プログラム内容に変更が生じる場合がございます。あらかじめご了承ください。

開催概要

日時

  • 2017年10月1日(日)9時〜18時15分
    (8時30分受付開始、18時30分〜20時30分パーティ)

会場

東京 ユビキタス協創広場 CANVAS
(東京都中央区新川2-4-7)

対象者

企業経営者、各種製品やサービス事業責任者およびマネージャ職の方、日々実践されているUXデザイナーやその他の職種の方、およびUX全般にご関心のある方。

定員

150名(定員に達し次第、締め切らせていただきます)

参加料

8/31までのお申し込みは早割、またこれまでUX戦略フォーラムへお越しのお客様は過去来場者割引をご利用いただけます。

フォーラム 33,000円
30,000円(早割/過去来場者割)
※フォーラムチケットはランチボックス付き
※早割は8/31お申し込みまで
パーティー 5,000円※パーティーのみの参加は不可

参加申込/お支払い方法

「参加申し込み」ボタンを押して表示されるフォームに必要事項を記入してお申し込みください。お支払いは、参加申し込みをいただいた方にお知らせする指定口座へお振込いただきます。なお、当日会場でのお申し込み/お支払いは受け付けておりませんので、ご了承ください。

主催

ソシオメディア株式会社、World Usability Congress

共催

株式会社内田洋行

参加申し込み
お申し込みの受け付けは終了いたしました

スピーカー

平山 信彦Nobuhiko Hirayama

株式会社内田洋行 執行役員 
知的生産性研究所所長

千葉大学工学部工業意匠学科卒。内田洋行スペースデザイン室、Interior Architects(米国)、内田洋行環境デザイン研究所等を経て現職。2008年~2010年、千葉大学大学院非常勤講師としてデザインインタラクティブ論を担当。研究・コンサルティングの専門領域はワークスタイル、知識創造、デザインマネジメントなど。働き方変革等に関わる執筆、講演等、多数。

上野 学 Manabu Ueno

ソシオメディア株式会社 取締役

UXデザインコンサルタント/インタラクションデザイナー/ユーザーインターフェースデザイナー/グラフィックデザイナー/ユーザビリティエンジニア/プログラマー。

各種ウェブアプリ、モバイルアプリ、デスクトップアプリ、エンタープライズアプリなどの、コンセプト設計、ユーザーインターフェース設計、およびユーザビリティコンサルティングを数多く経験。ソシオメディアのデザインコンサルティングメソッド開発を担う。主な監訳書に『デザイニング・インターフェース』がある。

クワン・ミン・リーKwan Min Lee
南洋理工大学(Nanyang Technological University)
大学教授、インタラクションサイエンス部 部長、インタラクションサイエンスリサーチセンター
成均館大学校(Sungkyunkwan University)、韓国ソウル サムスン電子社
ビジュアルディスプレイディビジョン ユーザーエクスペリエンスグループ デザインチーム バイス・プレジデント(2014 – 2016)
ビジュアルディスプレイディビジョン クレイティブラボ(C-Lab) 未来戦略チーム ディレクター(2014-2016)

指導者として携わったポジションとサービス:
・コミュニケーション&テクノロジー(CAT)ディビジョン、国際コミュニケーション学会(International Communication Association/ICA)代表(2012-2014)
・コリアンアメリカンコミュニケーションアソシエーション(KACA)バイス・プレジデント(2005-2007)
・MIT Press(現:Teleoperators and Virtual Environments)共同編集者(2013-2014)
・Journal of Computer Mediated Communication、Media Psychology、Asian Journal of Communication、 International Journal of Human-Computer Interaction、International Journal of Mobile and Blended Learning、Advances in Journalism and Communication、Human Communication Research (元)、Journal of Communication (元) 編集委員

クレイグ・トムリン Craig Tomlin
www.usefulusability.com
業界をリードするUXリサーチャー、またコンバージョン率最適化コンサルタント。クレイグ・トムリンはUXリサーチとコンバージョン率最適化の領域で25年以上の経験があり、認定ユーザビリティアナリストです。彼は AT&T、BlackBerry、Disney、IBM、Kodak、Virgin Media、Verison、Zurich Insurance Company、そしてその他にも多くの会社の Web サイトやアプリを改善してきました。彼は UXPA (User Experience Professional’s Association)のオースティン地域元代表です。UX、ユーザビリティ、そしてコンバージョン率最適化についてブログや Twitterで発信しています。詳しくは Twitter (@ctomlin) と Webサイト(www.usefulusability.com)をご覧ください。
ヨハネス・ロビアーJohannes Robier
Youspi社
ヨハネス・ロビアーは、インフォメーションデザインに関する勉強をグラーツにある FH JOANNEUM で2004年に完了しました。
彼はミュンヘンの Siemens Usability グローバル・ヘッドクオーターの従業員でした。彼は「エボラリス・リサーチラボ」でユーザーエクスペリエンスアナリストとして働いていました。その後、彼はユーザビリティ、カスタマーエクスペリエンス、サービスデザインを専門にした youspi Consulting GmbH を創業しました。彼は Customer Experience Management に関する認定を得ており、そのことが顧客固有の企業発展に関する広い視点を彼に与えました。認定を受けたあとは、ユーザビリティやUXに関する様々な国内外のカンファレンスで講師として参加しています。2013年には、「Certified Professional for Usability and User Experience (CPUX) – F (2013)」の認定も受けました。
クラウス・ホファーKlaus Hofer
CAT-i
Communications And Training international (CAT-i Professional associations) 設立者
APA – American Psychological Association
STC – Society for Technical Communication
WUC – World Usability Congress
IABC – International Association for Business Communications

どのように始まったか(1970-1976)
私の航空関連と病院関連の初期の仕事により、認知心理学と組織心理学に興味を持ちました。私が理解しなければならないと考えたことは「なぜモチベーションが高く、トレーニングをきちんと受けた人間がエラーを起こしてしまうのか?」ということです。私は批判的な意見ではなく、調査に基づく答えを求めていました。私が取り組んでいる行動と認知心理学に関する研究と調査は、私のプロフェッショナルな人生の基盤となっています。

変化(1977-1995)
多すぎる大学(オーストラリア、カナダ、アメリカ、ドイツ)で長過ぎる時間を過ごした後は、「テクニカルコミュニケーターのための心理学の適用」と名付けた一年間のプログラムと企業ワークショップを開発しました。最初は1986年にマサチューセッツ大学で実施し、このコースの様々なバリエーションを北米、アジア、そしてヨーロッパにある複数のカレッジ、大学、企業で教えました。

現在の仕事(1005-2016)
私は研究し、コンサルティングし、教えています。テキサス州ヒューストンで、私達のチームは稼働中の石油化学プラントでの運用オペレーションに関する初めてのユーザビリティテストのシリーズを専門性を持って実施しています。私たちは人間の行動学をユーザー中心の文書デザインに適用することを重要視し続けています。私はチームと共に、World Usability Congress とオーストリア、スイスのパートナーとの積極的な関わりを続けています。

私のビジョン
私はチームと共に、世界中の運用担当者が、認知科学と行動の原則に沿っていない運用を行うことのない日が来ることを目指しています。

ジョー・ランジセロJoe Lanzisero
クリエイティブコンサルタント。
ウォルト・ディズニー・イマジニアリング社 元クリエイティブ役員、シニアバイスプレジデント、香港ディズニーランド&ディズニー・クルーズ・ラインポートフォリオ。

30年以上にもわたるディズニーの経験の中で、ジョー・ランジセロはクリエイティブ役員としてウォルト・ディズニー・イマジアリング社にて数々のプロジェクトの責任者を務めてきました。アーティスト、ライター、建築家、そしてエンジニアが集まったチームの中で、チームの目として、またアーティスティックな良心としてプロジェクトに参加し、コンセプトから完成まで携わってきました。ランジセロはそれぞれ2011年と2012年に完成したディズニー・クルーズ・ラインの2つの最新の船のクリエイティブ開発の責任者を務め、この2つの最新式の船(ディズニーの夢とディズニーのファンタジーがたくさん詰まった船)をデザインしたチームを監督しました。イノベーティブなディナーショー「アニメーション・マジック」と船上の水上ジェットコースター「アクアダック」の搭載など、たくさんの機能がクルーズ業界初となりました。
香港ディズニーランドでは、ジョーは3年間で 20% のパーク拡張の監督を務めました。ここでは3つの新しいエリアを追加しました – トイ・ストーリーランド、グリズリー・グラッチ、そして最新のミスティック・ポイントです。これらは全ての年齢のゲストにさらなる興奮と楽しみを与えています。
ランジセロはディズニーでのキャリアを1979年にフィーチャー・アニメーション社(現ウォルト・ディズニー・アニメーションスタジオ)でスタートしました。アニメーション、特殊効果、ショートフィルム、そして特別なプロジェクトに携わりました。彼はイマジニアリング社に1987年にコンセプトデザイナーとして移籍し、ウォルト・ディズニー・ワールドの「ディズニー タイフーン・ラグーン・ウォーターパーク」とディズニーランドの「クリッターカントリー」、ディズニーランド・パリの「ファントム・マノール」のデザインチームに加わりました。1991年にはランジセロはシニアコンセプトデザイナーに昇格し、その直後には1993年にオープンしたディズニーランド・パークの「トゥーンタウン」、「ワッキー・カートゥーンコミュニティ」の開発プロジェクトに投入されました。彼は他にも、翌年「トゥーンタウン」内にオープンした、暗い中を面白く荒々しく駆け巡るライド「ロジャーラビットのカートゥーンスピン」のコンセプトを作成しました。ランジセロはまた、1996年にオープンした東京ディズニーランドバージョンのトゥーンタウンのコンセプトデザインも担当しました。1999年に東京ディズニーランドのプロジェクトに参加する前に、フロリダのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾート内にあるユニークなミニチュアゴルフコースであるウィンターサマーランドの「ファンタジア・ガーデン」のコンセプト開発にも携わりました。もう一つの新しいベンチャー、ディズニー・クルーズ・ラインは彼のキッズスペースとキッズアクティビティから多大な利益を得ました。そして彼は、極東と南米に展開したディズニーのユニークなエンターテインメントベンチャーである「ディズニーフェスト」コンセプトデザインと開発に陰ながら参加しました。
2001年には東京ディズニーリゾートのクリエイティブ・バイス・プレジデントに昇格し、東京の全てのデザインの責任者となりました。東京ディズニーリゾートでは、「プーさんのハニーハント」、「トゥーンタウン」、「クリッターカントリー」、「スプラッシュ・マウンテン」のアトラクションに携わりました。彼は他の様々なプロジェクトと共に、東京ディズニーシーの「マーメイドラグーン」と「アラビアンコースト」のコンセプト開発を行いました。彼は「タワー・オブ・テラー」と「モンスターズ・インク”ライド&ゴーシーク!”」のクリエイティブ開発を監督しました。2007年3月にはクリエイティブ・シニア・バイスプレジデントに昇格し、香港ディズニーランドのメインの3つのエリア拡張を含む全てのデザイン責任者となりました。
カリフォルニア芸術大学のウォルト・ディズニー・キャラクター・アニメーションプログラムを1979年に初めて卒業した一人で、彼のアーティスティックな才能は古き良きディズニーのプロフェッショナル達によって磨かれました。彼は教師になるために受けた教育を、ウォルト・ディズニー社に入る前にオーティス・アート・インスティテュートとアニメーション業界に応用しました。

モニカ・ガーバー・ランジセロMonika Gerber Lanzisero
ウォルト・ディズニー デザイナー
篠原 稔和 Toshikazu Shinohara
ソシオメディア株式会社 代表取締役
「User Experience Design Consulting」を標榜する、ソシオメディア株式会社の代表。自らも、企業組織やチームへのコンサルティング活動やITスタートアップ等での経験を活かし、UXやITとデザインに関わる包括的な専門性を用いながら、企業のイノベーションに向けたUX戦略コンサルティング活動に注力している。
2005年より、DESIGNとITとを横断的に探求する「DESIGN IT! Conference / Forum / magazine」、2014年より、UXを企業戦略の中核に据えるテーマを開拓する「UX戦略フォーラム」を、それぞれ企画・開催。欧米の最新動向や研究動向を紹介しながら、日本のUX市場の拡大に向けた活動に従事している。
また、NPO法人 人間中心設計推進機構の理事を歴任。直近に携わった書籍に『ユーザーエクスペリエンスの測定 – UXメトリクスの理論と実践 -』(東京電機大学出版局)、『情報アーキテクチャ – 見つけやすく理解しやすい情報設計 – 』(オライリー・ジャパン)がある。2017年に、日本政府総務省の技術顧問に就任し、日本の電子政府の改革に向けた「サービスデザイン思考」の啓発活動にも従事している。