UXリーダーシップ Part 2: 優秀なUXリーダーがすべきこと

UXmatters
2017年4月12日
原文: “UX Leadership, Part 2: What Great Leaders Must Do” by Jim Nieters and Pabini Gabriel-Petit [2015-01-05](翻訳: ソシオメディア株式会社)

優秀なUXリーダーは、UXを戦略的に組織に浸透させることによって自社製品やサービスのエクスペリエンスを差別化します。

UXリーダーシップをテーマにした2回シリーズの Part1「UXリーダーシップ:優秀なリーダーの資質とは」では、UXにおいて優秀なリーダーが必要とされていること、また、優秀なリーダーにはどのような能力や資質が求められるかについて考察しました。この Part 2 では、優秀なUXリーダーはどのようにして会社をエクスペリエンス主導の組織へと変革させていくのか、そしてどのようにして市場において自社製品を差別化する優れたUXを提供していくのかについて述べたいと思います。

優秀なUXリーダーは、UXを戦略的に組織に浸透させることによって自社製品やサービスのエクスペリエンスを差別化します。そのようなリーダーは、UXのための組織構造(差別化されたエクスペリエンスを提供できるよう、組織横断的にUXの働きができる)の構築方法も知っています。最高の人材を惹きつけ、UXのリサーチャーやデザイナーが彼らの最も得意とすることを存分にできるような文化作りを促します。また、デザイン思考を組織全体に吹き込みます。おそらく、優秀なUXリーダーが行う最も重要なことは、チームメンバーや幹部の注意を引き、心を捕らえ、最高のリサーチャーやデザイナーを雇って保持することを可能にする共通のビジョンを示すことでしょう。

優秀なUXリーダーは、どのようにしてチームをしっかり従事させ、インスパイアし、真に優れたデザインを造らせるのかを知っています。そして、それによって幹部たちの支持を得て、顧客を喜ばせ、デザイナーたちに深い意義(世界をより良くする、大きな仕事を成し遂げること)を与えるのです。このようなリーダーはまた、チームの信頼を勝ち取るために、リーダーとしての能力を示し、共感を表し、良い模範となり、メンバーの良い行動に対して報酬を与え、それぞれのキャリア目標を応援する必要があることをわきまえています。リーダーは象牙の塔の上の存在であってはなりません。チームとしっかり連携し、彼らの成長を積極的に支援して、彼らが仕事の腕をあげられるように、ベストを尽くせるように整える必要があります。このコラムではこういった項目を一つ一つ見ていきましょう。

最高のUXリサーチャーやUXデザイナーを雇う

どんなに素晴らしいUXリーダーでも、素晴らしいリサーチャーやデザイナーがチームにいなければ、UXによる差別化に向けて組織を変革することなどできません。ですから、リーダーは、世界で最も優秀な人材を惹きつけなければならないのです。

どんなに素晴らしいUXリーダーでも、素晴らしいリサーチャーやデザイナーがチームにいなければ、UXによる差別化に向けて組織を変革することなどできません。ですから、リーダーは、世界で最も優秀な人材を惹きつけなければならないのです。ほとんどのリーダーにとってこれは困難に思えるでしょう――口に出しては認めたくないかもしれませんが。

トップを行くUXリサーチャーは、ユーザーのニーズを迅速かつ的確に理解する術を持っています――ユーザーが製品につながりを感じるようになる、そして製品を好きになる論理的・感情的要素についてもよく理解しています。このような研究者は一握りしかいないですが、組織に最大の戦略的な影響を与えるチームには欠かせない存在です。従来のUXリサーチャー、つまりユーザビリティや利用者効率に焦点を当てるリサーチャーは、デザインによる差別化で進んでいくための必要な情報は提供してくれないでしょう。また、アジャイルやリーン型のチームのペースについていくことはできないでしょう。優秀なUXリサーチャーは、将来のデザインを告げるのです。

最高のUXデザイナーは、ユーザー調査を見て深い洞察とデザイン戦略を導き出し、ユーザーのニーズを満たす魅力あるプロダクトUXを描くことができます。また、複雑さをシンプルに思わせる相互作用モデルやワークフローを考案することができます。優秀なUXデザイナーは、自身に高い目標を設け、可能な限り最高のデザイン・ソリューションを創ることに情熱を注ぐ人です。彼らはコラボレーションの巨匠であり、学際的なチームにおいて最も力を発揮します。市場やユーザー調査からの知見を活用しながら、市場を変革する革新的な製品を創り出し、組織の軌道を完全に変えることができるのです。

もちろん、最高の人材を魅了するため、そしてUXの目的を企業収益に結びつけ、幹部からの信頼を得て、その結果として最高のUX専門家を雇って効果的なチームを構築すべく高レベルの人材を確保するために必要な予算を得るには、UXリーダーたち自身がクリエイティブでなければなりません。

素晴らしいUXリーダーシップとは、大胆な目標に向かっていくことです。つまり、あなたがいる組織をデザイン主導の組織へと変革することです――あなたの全てをもって、そして達成に向けて熱心に。UXデザインを理解していない組織を、常に競合他社を抜く、デザイン主導の組織に変えたいと思うなら、世界クラスのUXリサーチャーやデザイナーを雇うことなしには実現できません(そのような人材は、自分たちの価値を正しく評価してくれる会社ならどこにでも好きなところに就職するでしょう)。ですから、あなたのチームの成功は、あなたが最高の人材を雇うことと、彼らに良い仕事の機会を与えることにかかっているのです。

最高のUX専門家を惹きつけるビジョンを掲げ、チームの助けを得てそのビジョンを実行するのに成功し、あなたの会社に変革を起こすなら、今までかつてなかったほどのスリ​​ルを味わうことになるでしょう。それは、エベレストを登るようなものです。ほぼ不可能と思われることを達成するとき、胸の高鳴りを感じます。これが、UXデザインです。これがUXのリーダーであることなのです。このすべてを達成するためには、デザイナーたちが製品を差別化できるよう、戦略的な洞察を提供できる優秀なリサーチャーが必要です。また、新しい、革新的なことにチャレンジできるデザイナーも必要です。あなたがリーダーとして、あなたの「可能」の定義を超えた、新しいコンセプトで彼らが進んでいくことを許可するならば、彼らのデザインは語り草となるでしょう。

UXに対する強力なビジョンを確立する

優秀なUXリーダーは、人をインスパイアし、魅了する未来を描き、共通のビジョンを抱かせます。UXのための強力なビジョンを確立することは、あなたが常に優秀な人材を確保するための最初の条件です。

優秀なUXリーダーは、人をインスパイアし、魅了する未来を描き、共通のビジョンを抱かせます。UXのための強力なビジョンを確立することは、あなたが常に優秀な人材を確保するための最初の条件です。もちろん、あなたの優秀なチームメンバーも、あなたがビジョンを磨いていくのを助けることができるでしょう。あなたのビジョンは達成可能なものであるべきですが、同時に大胆でもあるべきです。それは、チームメンバーや幹部の人たちの頭も心も捉えるために必要なことです。

優秀なUXリーダーは、最高のUX専門家は何によって動機づけられるのかを知っています。それは、彼らが人の役に立つ(ユーザーにとって変化をもたらす)ものを創っているという自負です。彼らの多くがUX分野に入った理由は、人々のニーズを満たし、人々の生活を向上させる魅力的なUXを創ることに情熱を感じたからです。

あなたがUXリーダーとして成功するためには、あなたのビジョンが、才能あふれるUX専門家をあなたのもとに引き寄せ、彼らが達成できる最高レベルの仕事を実行させなければなりません。最高のUX専門家は、大きな目的を与えてくれる機会を求めています。ですから、あなたのビジョンは、そういった彼らの願望に応えるものでなければなりません。人々に影響をもたらす、意味深い仕事ができることはとても重要なことで、多くのUX専門家にとっては金銭的な報酬よりも重要でしょう。当然、優秀な人材に適切な報酬を与えることは大切ですが、それだけでは最高の人材を保持するのに十分ではないのです。あなたのビジョンが、彼らをあなたの元に居させ続けるのです。ですから、あなたのビジョンについて彼らを興奮させ続けてください。そうすれば、彼らは熱意を持って活き活きとあなたの大胆な目標に向かって進んでくれるでしょう。

また、あなたのビジョンが企業収益に大いに貢献できるポテンシャルがあるものだと示すことも大切です。上層幹部があなたのビジョンを理解し、共有し、それを実現することに期待感を持てるよう努力する必要があります。どのようにして期待感を持たせるのでしょう?素晴らしいデザインによってです。ビジネスリーダーたちがバックアップしたいと思うような説得力あるビジョンを描けるなら、企業文化やプロセスを変え、チームが真に変革的なUXを提供すれるために必要な組織のサポートを受けられるようになるでしょう(素晴らしい仕事を生み出す企業文化やプロセスをどのようにして構築するのか、については別の機会で扱います)。

UXリーダーとしての成功の鍵は、ビジネスリーダーたちをインスパイアし、チームの関心を引く、大胆で魅力的なビジョンを描くことにあります。あなたの目的が、ユーザーを魅了するような変革的UXを創り出すことであり、その結果として企業収益を上げるなら、あなたのビジョンは、あなたの企業とあなたのチームのメンバーのどちらにも報いることになります。魅力的なビジョンを描き、その達成に向かっていくことは、効果的なUXリーダーシップの最も重要な要素の一つなのです。

あなたのビジョンに人を参加させ、行動を引き出す

最高のUXリーダーは、自分のビジョンに人(チームメンバー、他組織の仲間、あるいは幹部たち)を参加させ、行動を起こさせます。自分では自分の目標を達成できないことを認識し、そうするためには組織内のあらゆるレベルの人々を動員し、様々な障害物を克服しなければならないことを知っているのです。

最高のUXリーダーは、自分のビジョンに人(チームメンバー、他組織の仲間、あるいは幹部たち)を参加させ、行動を起こさせます。自分では自分の目標を達成できないことを認識し、そうするためには組織内のあらゆるレベルの人々を動員し、様々な障害物を克服しなければならないことを知っているのです。

あなたの職場ではこのようなことはなかったでしょうか:社内のリーダーのひとりが、何か会社の中核を示すようなイニシアチブを語ったが、その後、社員を参加させ行動を起こさせるためのフォローが何もなかった、といった状況です。このようなことがあった時、あなたはどう反応しましたか?おそらく、その新しいイニシアチブを無視し、普段通りの仕事をしたのではないでしょうか。それは典型的な反応だと思います。

もしあなたのビジョンを達成するために、あなたのチームや他の人を動員したいなら、まずあなたの目標は理にかなっていて、チームをワクワクさせ、挑戦を与えるものであることを立証する必要があります。最も重要なのは、あなたの目標を達成する方法を定める際に、あなたのチームに助けを求めることです。

小さい、学際的なコアチーム(製品管理・UX・エンジニアリング部門などによる)で緊密な協力関係を持つことは、共有ビジョンのアラインメントを実現するの​に最適な方法です。このアプローチでは、チームの誰もが問題を解決するためのアイデアを出し合い、ほとんどのことをチームで決定し、そのことにより、彼らの共通のビジョンへの深い、クロスファンクショナルなコミットメントが育まれるのです。しかし、もしチームが特定の問題について同意できない場合は、その特定の問題を解決するに最もふさわしい部門のリーダーが意思決定するべきです。このアプローチの利点は、「委員会による(リーダーシップに欠ける)デザイン」に移行しにくいことです。このアプローチについてもっと学びたい方は、Pabini の UXmatters 記事「Sharing Ownership of UX」を参照ください。

Rapid Design Labs は、チームに共通のビジョンをもたせ、具体的な行動を起こさせるのに特に効果的なツールです。まず、問題を特定するためにクロスファンクショナルなチームを集めます。そして、一緒に問題を特定し、解決策をいくつか挙げ、ひとつの適切なソリューションを導き出し、最終的には、各メンバーが取るべきアクションを決めるのです。Rapid Design Labs についての詳細は、Jim の UXmatters 記事「Innovation Workshops: Facilitating Product Innovation」を参照ください。

説得力のある成果を想定し、その達成方法はチームに任せる

優秀なUXリーダーは説得力ある成果を設定しますが、それを達成するための戦略を決定する際に自分のチームに助けを求めます。

優秀なUXリーダーは説得力ある成果を設定しますが、それを達成するための戦略を決定する際に自分のチームに助けを求めます。『Good to Great』(『ビジョナリーカンパニー2 – 飛躍の法則』)という本の中で、著者 Jim Collins は、「平均的」から「優秀」へと進歩していく企業やチーム、個人が辿る道を示しています:まず、非常に優秀な人材を獲得します。それから、チームに方向性を定めさせるのです。

前述した通り、UXリーダーとしてのあなたの目標は、可能な限り最も才能のある、知的な人々によって構成されたチームを持ち、共に仕事をすることです。最も優れた、秀でた人たちは成功のための鋭い視点を持っています。ですから、あなたの目標に向かうにあたって彼らのインプットを求めないならそれは間違っています。この点は多くのビジネス良書が見落としてしまっています。Jack Welch も、彼の著した『Winning』(邦訳:『ウィニング 勝利の経営』、2005年、日本経済新聞社)の中で、良いリーダーは「全ての脳をゲームに参加させる」と述べています。

あなたは目標を定めますが、それを達成するための道を見極める手伝いをあなたのチームにさせましょう。どんな問題やリスク、または機会がありうるか、彼らに質問をし、考えさせ、議論を導きます。彼らの最善の努力を期待し、役立った洞察とその結果としての成功を人前で賞賛しましょう。彼らが値する評価を彼らに与えましょう。これを行うことにより、信頼関係を育み、プロとしての成長を促し、また新たに大胆な目標に向かうときにチームのサポートを得られるというメリットを刈り取ることになるのです。さらに、他のリーダーの前であなたのチームのメンバーや他の人を誉めることは、あなたが優秀なリーダーであることを印象付けることにもなります。

リスクから逃げず、チャレンジに応え、失敗から学ぶ

優秀なUXリーダーは、リスクを負い、行動する機会を探し求めます。また、新しいアイデアやアプローチを探索し、迅速に取り入れるように促します。チャレンジに率先して立ち向かい、そうすることで、UXが提供できる価値に幹部たちの目を向けさせます。

優秀なUXリーダーは、リスクを負い、行動する機会を探し求めます。また、新しいアイデアやアプローチを探索し、迅速に取り入れるように促します。チャレンジに率先して立ち向かい、そうすることで、UXが提供できる価値に幹部たちの目を向けさせます。そうして組織の運命を変えていくのです。

ジムのメンターはよくこう言っていました:「自分に与えられた仕事だけをやっていて昇進した人なんていない。リスクを負い、課題に向かって行った人が認められ、報われるのだ」と。UXリーダーとして成功するためには、あなたが取り組める課題を見つけて、ユニークなアプローチで現実にある問題を解決していくのです。デザイン及びデザイン思考が10倍、100倍の収益と利益をもたらせることを示して下さい。そうすればあなたとあなたのチームは注目されます。あなたのチーム内、そして組織全体に変革を推進していくのです。

UXチームや他のクリエイティブな活動をするグループのリーダーは、失敗を受け入れ、失敗から素早く学ぶことを促さなければなりません。これが反復設計の本質です。初段階のデザイン・ソリューションを、デザイナーが仮定をテストする実験とみなしましょう。デザイナーが正しい方向に進んでいるなら、反復を繰り返す中でデザインを改良し、改善していくでしょう。方向が間違っているなら、彼らはすぐに旋回し、新しい前提を試すべく、別のアプローチを試みたら良いでしょう。

失敗から学べる教訓は非常に貴重なものです。クリエイティブな失敗は、一過性のものが多く、すぐに新しい、より良いアイデアがそれに取って代わります。ですから外部の判断はこのプロセスには入ってこないのです。チームが本当に失敗してしまう時というのは、彼らが悪いアイデアに固執してしまった時です(問題の理解を欠いていたため、もしくはクリエイティブ・プロセスを強制的に省略させられていたためのどちらか)。あなたのデザイナーたちのプロジェクトのスケジュールがあまりに厳しく、アイデアを探索する時間が取れないということにならないよう気をつけましょう。少なくとも、締め切りに追われるプロジェクトの合間に新しい概念を探求できるようにしてあげて下さい。

良き模範となる

模範を示して指導するには、まず、自分の行動を導く価値観やリーダーシップの原則を明確にしてから、自分が教えることを自分も行う必要があります。

優秀なUXリーダーは、チームから尊敬されるためには、彼がチームにするように求めている行動を自分自身が実践することによって、自らの能力を示し、信頼性を得なければなければならないことを認識しています。模範を示して指導するには、まず、自分の行動を導く価値観やリーダーシップの原則を明確にしてから、自分が教えることを自分も行う必要があります。

あるとき、ジムはリーダーシップの役割の一つとして、11人のデザイナーで構成されるチームを引き継ぎました。彼は、この新しいチームの誰もが、彼が望んでいた変革を起こすために必要なスキルを持ち合わせていないことにすぐに気づきました。そこで彼は、チームの一人一人に新しい役割を見つける手助けをし、とうとうデザイナーは0人になりました。新しいデザイナーを雇う中で、彼は、新しいチームを励起し、短期的に価値を提供するための新しい、説得力のあるビジョンを定義しなければならないと思いました。そうしてジムは実地調査を行い、そこで得た洞察を元に、彼が任されている製品のための全く新しい相互作用モデルとUXのアーキテクチャを作成しました。それは、ユーザーの概念モデルをハイライトし、アーキテクチャがそれをどのように支持しているのかが示されていました。また、そのモデルのウェブやモバイルアプリケーション等におけるスケーリング結果が分かるようにもなっていました。そしてジムは彼の究極のビジョンを強調するビネットも作成しました。そうして、彼が作成した高品質のアーチファクトと、インスピレーションを与えるビジョンが、UX専門家のチームを誘致することにつながり、そのチームによって真の変革的デザインが考え出され、提供され、結果として2億ドルという売上高のパイプラインが開いたのです。このようにして、彼は彼のチームにインスピレーションを与え、幹部たちが理解できる方法で「利益」と「目的」を結びつけたのです。

信頼を築く

最高のUXリーダーは、信頼に値する人物であるとともにチームを信頼する人でもあるべきです。あなたのチームの信頼を得るためには、ビジョンを示すだけではいけません。率直にものを言い、オープンに情報を共有する必要があります。

最高のUXリーダーは、信頼に値する人物であるとともにチームを信頼する人でもあるべきです。あなたがチームを信頼するなら、それはチームがあなたを信頼する基盤となるのです。成功するためにはあなたとチームが双方に信頼し合わないといけないのです。

あなたのチームの信頼を得るためには、ビジョンを示すだけではいけません。率直にものを言い、オープンに情報を共有する必要があります。James Kouzes と Barry Posner が、彼らの本『The Leadership Challenge』(邦訳:『リーダーシップ・チャレンジ [原書第5版]= 』、2014年、海と月社)で語っているように、「言葉と行動をつなぐ一貫性が信頼性を育む」のです。ですから、効果的なリーダーになるためには、あなたの行動をあなたの価値観と揃えなければなりません。あなたが「こうする」と言ったことをやり遂げるのです。もし、あなたがある問題のために立ち上がって声を上げると言ったなら、そうすべきです。そうしないのであれば、「新たに学んだことによって、自分の考えが間違っていたことに気づいた」とチームの前で認めるべきです。また、信頼を得るためには、あなたが人を賞賛するときは人前でその人を褒め、人を注意するときは一対一ですることです。あなたが一対一で言うべきことを、他人の前で言ってしまい、チームメンバーの信頼を裏切るようなことはしてはなりません。

チームの非公式リーダーを評価し、報酬を与える

コアになる文化的価値を強化し、再確認してくれる非公式リーダーがチームには必要なのです。

成功するためには、UXリーダーは彼のチームメンバーからの、幹部からの、そして仲間からの感情的サポートとコミットメントが必要です。 UXのリーダーとして、あなたはクリエイティブなアイディエーションやクロスファンクショナルなコラボレーションを大切にする文化を育てなければなりませんが、このような価値観を強化するためにあなたが常にいなければならないといった状況は望ましくありません。ですから、コアになる文化的価値を強化し、再確認してくれる非公式リーダーがチームには必要なのです。

このシリーズの Part 1 で、UXリーダーは通常は、部屋の中で最も重要な人物であるべきではないと述べました。あなたのチームに目的と誇りを提供する説得力あるビジョンを確立したら、その目的を果たすことが、リーダーの役割また個人を超えて優先しなければならない事になるのです。ビジョンそのものが、生きたものとなって歩み始めるのです。

スポーツに喩えるなら、個々のコーチやチームの選手よりもチャンピオンシップを獲得することのほうがはるかに重要です。もちろん、選手たちは優勝チームの一員となりたいですし、勝てるように支援してくれるコーチや他の選手を必要としているけれど、彼らの本当の目標はチャンピオンシップで勝つことです。UXと同様にスポーツでも、このような目的意識はメンバーにチームに対する感情的なつながりをもたらせるのです。もし目的ではなく、チームの誰かが(リーダーでもチームの貢献者のひとりでも)チームの感情面の幅を取り過ぎるなら、チームはフォーカスを失ってしまうのです。

あなたのチームのメンバーが、あなたの「目的与えるビジョン」に、またはチームのコアとなる価値観(コア・バリュー)に対してのコミットメントを見える形で表すとき、あなたはそれを奨励し、報酬を与えるべきです。コア・バリューを支持する人々を称えるような話を積極的にしていきましょう。そして、そのコア・バリューを推進する、チームの中から非公式リーダーとして台頭してきた最初の部下たちを育てましょう。彼らは、あなた一人のときよりも、その価値観に対するより大きな信頼と感情的な投資を生みだすことができるでしょう。

ビジョンには、それを進め、導く「連携」がなければ実現できません。リーダーとして、あなたは他のチームメンバーもリーダーシップを発揮していくようインスピレーションを与えていくのが重要です。非公式のリーダーの存在は、あなたのビジョンにはメリットと価値があることを示し、他のメンバーも同じ熱意をもってそれに投資していくよう促すことにつながるのです。

チームが最高の仕事ができるよう環境を整える

優秀なUXリーダーは、チームが彼らの最高の仕事ができるようモチベーションを向上させます。

優秀なUXリーダーは、チームが成功するために必要なリソースがあるように常に気を配ります。これは、適切なレベルのスタッフを確保すること、仕事をきちんとするための時間を充分与えること、より広いコンテキストで自分たちの仕事を理解できるようメンタリングを行ったり、情報を共有して透明性を提供したりすることを含みます。

また、優秀なUXリーダーは、チームが彼らの最高の仕事ができるようモチベーションを向上させます。Daniel Pink が “Drive: The Surprising Truth About What Motivates Us”(邦訳:『モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか』)で示唆しているように、人をやる気にさせる3つの要因は:目的、熟達、そして自律性です。「目的」については既に触れてきました。次は、「熟達」について考えてみましょう。最高のチームメンバーとは、それぞれの分野の達人になりたい人たちです。彼らには、自分たちが可能な限りベストの状態でありたいというモチベーションが本質的にあるのです。

優秀なUXリーダーであるためには、チームのUX専門家たちを動機づける明確な目的を定義する必要があります。また、彼らが成功への道を決定する際にあなたが上手く導く必要があります。あなたは、メンバーたちが彼らの分野で最高の存在となれるよう、新しいスキルを習得し、既存のスキルを磨ける仕事を提供してあげなければなりません。

UXデザインは、基本的にはクリエイティブな問題解決プロセスです。チームに優れたUXを創らせるためには、環境を整え、クリエイティブな人々が常に卓越したものを提供していけるようなチームを構築していかなければなりません。リーダーとして、あなたはチームの創造性を妨害する障害物が何であるのかを認識し、それを取り除くべきです。他コラムで詳しく説明しますが、優秀なUXリーダーは、

  • 以下のような文化を創ります
    • クロスファンクショナルなコラボレーションを推進する文化
    • チームワークと共同意思決定に報いる文化
    • 率直かつオープンな対話を受け入れ、大切にする文化
    • 失敗と、それに起因する貴重な教訓を受け止める文化
    • 批評の目的は、結果を改善するためであり、リスクや失敗を避けるためではないことを保証する文化
  • UXチームが効果的にコラボレーションし、ベストパフォーマンスを出し、可能な限り最大の影響をもたらせるような組織構造とエンゲージメントモデルを創ります。
  • 文化的変化を推進し、製品開発プロセスを見直し、組織が
    • コアの分野(製品管理、UX、エンジニアリング)から、起業家的で効率的に仕事をこなせる人材を集めた小チームを結成するようにします。
    • まずエクスペリエンスにおける結果を定め、それから機能や技術を考慮するようにします。
    • 細かいユーザーインターフェースのデザインに焦点を当てるのではなく、カスタマージャーニーの全体像を見るようにします。
    • 製品開発プロセスのすべての段階でユーザー意見を素早く収集するようにします。

良い行動に対して報酬を与える

チームメンバーの成長を願うなら、彼らがリスクを取ることに対して報酬を与える必要があります。メンバーの一人が、あなたの目標を推進するためにリスクを取るとき、あなたはその人の行動を他の人の前で褒め、チーム共有の伝説となるようにしなければなりません。

優秀なUXリーダーたちは、常に上を目指します。そして、全てのことにおいて上達と改善を目指す人と共に仕事をしたいと願います。チームメンバーの成長を願うなら、彼らがリスクを取ることに対して報酬を与える必要があります。メンバーの一人が、あなたの目標を推進するためにリスクを取るとき、あなたはその人の行動を他の人の前で褒め、チーム共有の伝説となるようにしなければなりません。しかし、最も重要なのは、たとえその人の取ったリスクで成功しなかったとしても、その行動を賞賛するということです。これが、上達するためにはリスクを取っても良いと分からせるための唯一の方法なのです。

チームメンバーが勇気と洞察力を発揮したなら、すぐに賞賛しましょう。また、チームがプロジェクトを上手く進めたなら、そのことも褒めましょう。あなたのチームが、あなたのビジョンを心から受け入れ、ビジョンを実現するために勇気を伴う一歩を踏んだことをあなたが褒めるなら、それは他のメンバーとっても良い模範となり、あなたのビジョンを強化することになります。メンバーたちの成功は公に認めるようにしましょう。そうすることで彼らに自信と自己肯定感を与え、また、あなたも彼らのサポートを得ることができます。あなたが彼らを一貫して支援し、賞賛するならば、あなたも彼らの支持を得るのです。

優秀なUXリーダーは、チームメンバーに自信を付けさせるために他者の前で彼らを褒めますが、同時に、彼らの成長のために一対一で建設的なフィードバックも与えます。あなたがチームと関係を築いて行く中で、あなたがひとりひとりの成功と成長を願っていることを知ってもらえれば、彼らはあなたの信頼に応えて忠誠心を持つようになり、チームの成功のために彼らのすべてを発揮してくれるでしょう。

建設的なフィードバックを与える

優秀なUXリーダーは、いつもチームメンバーに建設的なフィードバックを与えます。あなたが定期的にチームに提供しなければならない建設的なフィードバックには二種類あります:個人的なフィードバックとプロジェクトの批評です。

優秀なUXリーダーは、いつもチームメンバーに建設的なフィードバックを与えます。あなたが定期的にチームに提供しなければならない建設的なフィードバックには二種類あります:個人的なフィードバックとプロジェクトの批評です。どちらの種類であれ、あなたのフィードバックの与え方によって、信頼関係を強めることもできれば壊してしまうこともできるのです。

個人的なフィードバック

「教えやすい瞬間」は、ほぼ毎日、でなければ毎週は必ず訪れます。あなたはリーダーとして、その瞬間を見極め、あなたの助けを必要とする人に知恵を共有してあげなければなりません。正しい方法でフィードバックを与えると、信頼関係が育まれます。あなたがいつもチームを支持していて、後押しをしてくれていると感じているメンバーは、成功の道を必ず見つけるでしょう。あなたはまず何が重要なのかを伝え、その後は正しい行動に対して報酬を与えれば良いのです。良いフィードバックを与えるときは、チームメンバーとの一対一の機会を待っていてはいけません。他のチームメンバーとの共通の価値観を強化し、ポジティブな行動を奨励するためのせっかくの貴重な機会を逃すことになってしまいます。

個人的なフィードバックを与える場合は、確実に信頼を築く方法で行うようにするため、以下の4つのガイドラインを心に留めておいてください

  1. あなたのフィードバックは、チームメンバーが個人として、そしてプロとして上達するために与えるという明確な目的を持ってでなければなりません。あなたの目的がただ批判することであってはいけないのです。叱りつけたり、「君のせいでめちゃくちゃだ」などと言ってしまったりすると、彼らは上達するどころか、ビクビクして自己防衛的になってしまいます。恐れは人のモチベーションを上げません。しかし、「上司がいつも自分のベストを願ってくれている」と思える信頼関係はモチベーションを上げるのです。
  2. 個人的なフィードバックは一対一で与え、褒めるときは人前で褒める。上司が皆の前で誰かを非難すると、皆がショックを受けるものです。このような行動をとる上司は、感情のコントロールができないのか、自分の力を誇示しなければならないと感じているかのどちらかです。いずれにせよ、信頼関係は壊れます。皆の前で批判する良い理由などありません。どのような上司でもそういった行動を正当化することはできません。人は、人前で恥ずかしい思いをさせられているときにフィードバックを吸収することはできないのです。ですから、人に恥をかかせるようなことをしてはいけません。
  3. 最高のリーダーたちは、洞察に富んだ質問の仕方で、チームメンバーが自ら改善点に気づけるように、優しく導くことができます。私たちは、内観を通して最も深い洞察を得ることができるのです。ですからあなたのフィードバックは、メンバー自身に考えさせるものであるべきです。改善・上達のためには、変化の必要性を理解することと内在化することが大切です。あなたが、チームにこのすべてを行う手助けができれば、彼らも変化を受け入れられるようになるでしょう。
  4. 共感を示し、自らの様々な経験を語ることを通して、前進する方法を教示しましょう。例えば、あなたも似たような失敗をしたことがあることを、あるいは別の人が(名は明かしませんが)失敗したことを、そしてその時にどう対処したかを話すのです。また、その経験を通してより良い人になれたこと、より効果的なプロとなれたことを伝えましょう。そうすれば人は、自分だけが失敗しているのではないことに気づき、より良いものに目を向ける機会をしっかりとらえられるようになるのです。

弱い上司は、チームメンバーがフィードバックを拒むのではないかと恐れたり、起こりうる人間関係の問題を心配したりするかもしれません。しかし、チームメンバーと信頼関係を築き、彼らを向上させたいと願う上司ならば、建設的なフィードバックを提供する責任があるのです。

クリエイティブ・プロジェクトを批評する

オフィス内にいる人には皆、同等の発言権があるべきですが、役員であってもチームリーダーであっても誰も具体的な決定を強制する権限はありません。。

クリエイティブなプロジェクトを批評するための次のガイドラインは、個人的なフィードバックを提供するためのものとは多少異なります。

  • 批評はチームで行う作業です。
  • オフィス内にいる人には皆、同等の発言権があるべきですが、役員であってもチームリーダーであっても誰も具体的な決定を強制する権限はありません。
  • 率直なフィードバックを提供すること、また、様々なアイデアに対してオープンであることを奨励しましょう。
  • 個人的な批判はしてはいけません。
  • フィードバックは具体的に言いましょう。
  • その仕事の強み(良いところ)を見つけましょう。
  • その仕事の課題を見つけ、解決策に焦点を当てるのではなく、それぞれの課題の根底に何があるのかに目を向けましょう。
  • 解決案について話し合いましょう。
  • 互いの考えやアイデアを積み上げて行きましょう。
  • あなたが批評している仕事の責任者(つまり、そのプロジェクトを実際にリードしていて、その仕事を最もよく理解している人)に、全てのフィードバックを取りまとめ、特定の問題に対する解決策を考え出す責任者としましょう。

チームメンバーのキャリアを応援し、より大きな責任と自主性が持てる機会を与えていく

優秀なUXリーダーは、チームが格別の仕事ができるよう支援していく中で、同時に彼ら自身を「開発」していくのです。自分のチームの一人ひとりのキャリア成長を純粋に気に掛けていることを示すのです。

UXリーダーシップには、ただ仕事をこなすということ以上の責任があります。優秀なUXリーダーは、チームが格別の仕事ができるよう支援していく中で、同時に彼ら自身を「開発」していくのです。自分のチームの一人ひとりのキャリア成長を純粋に気に掛けていることを示すのです。

上司が、上司自身の成功だけでなく、メンバーひとりひとりのプロとしての将来の歩みを気遣ってくれていると感じるメンバーは、チームに対してますますコミットメントを深めるでしょう。ですから、メンバーの長期的なキャリア目標を充分に理解しておくよう、常に心がけて下さい。彼らが組織を成功させるために懸命に働き、あなたは彼らが成功するために支援していくという黙約を交わしましょう。純粋な思いやりの行動はチームの士気を上げ、感情的なコミットメントを促すのです。

前述した通り、最高のチームメンバーは強力な目的を求め、プロとしての熟達を目指します。そのような人はまた、彼らの羽を広げ、より多くの責任を担うための高いレベルの自律性も求めます。人は、自分の人生に対して主導権があると感じたいのです。そして、UXの専門家は特にそうなのです。彼らはリーダーが設けてくれるセーフティネットを感謝する一方、自分たち自身で責任を持って問題を解決したいと思うのです。彼らは、望ましい結果を達成し、最高のものを提供するように努めますが、独自の方法でそうしたいと思うものです。優秀なUXリーダーは、彼らが目標を達成する方法について裁量権を与えます。

チームメンバーには、ますます重要なプロジェクトでその能力を実証できるよう、充分に機会を与えましょう。優秀なUXリーダーは、人がチャレンジを通じて成長することを理解し、次世代のリーダーたちを育成していくのです。

最高のリーダーたちは、コーチの役割も果たします。つまり、チームメンバーが、彼らが遭遇するであろう問題を予想し、それらを解決する方法を探るために役立つ、洞察に富んだ質問をするのです。正しい質問をすることは、正しい答えを提供するよりも貴重です。問題や状況の複雑さをしっかり考えぬく手助けとなるような質問をしていきましょう。最高のリーダーたちは目的を明確にしてから、解決策を自分自身で見つけるのに役立つ示唆を与えるのです。このようにしてチームメンバーを成長させていくのです。

 優秀なUXリーダーは、目的を促進し、熟達を可能にし、自律性を提供し、チームのベストを引き出します。UXの専門家は、仕事の成果の責任が自分たちにあると感じるときに、彼らのベストを発揮します。その責任を感じてもらうためには、彼らに自律性を与えなければなりません。

優秀なUXリーダーは結果を出す

優秀なUXリーダーは、結果を出し、彼が働く組織に大きな価値をもたらします。

優秀なUXリーダーは、結果を出し、彼が働く組織に大きな価値をもたらします。しかし、UXリーダーとして結果を出すことは、権力を振りかざしたり、人に威圧をかけてあなたの命令に従わせたりすることではありません。また、人に説明責任を課すことでも、妥当な範囲を超えて仕事をさせることでもありません。一部のUXリーダーたちのスタイルは、「促進」よりも「命令」ですが、我々はそれが正しいアプローチだとは思いません。優秀なUX専門家は、威圧感には良い反応を示しません。ですから、そのアプローチには、所望の効果はないでしょう。たとえ、命令ばかりする上司の元にしばらく耐えるUX専門家がいたとしても、才能ある人なら長くは留まらないでしょう。優秀な人はいつでも別の仕事に就けるからです。

もちろん、UXリーダーとしての影響力は持つべきですが、それはあなたのチームを保護するため、良い目標の達成に向けて彼らをサポートし、最良の結果に向けて彼らがあらゆる方法を使って仕事ができるよう、充分な「スペース」を提供するために行使すべきものです。あなたはチームメンバーの発言に耳を傾け、彼らが最高の仕事ができるよう力を与えなければなりません。あなたのビジョンをもってインスピレーションを与え、彼らがワクワクして仕事に取り組めるようにし、彼らが仕事において上達していくための手助けをするなら、成功を導く、高パフォーマンスのチームができるでしょう。最高の、最も人道的なリーダーたちが、最良の結果を得るのです。良いチームに世界レベルの結果を得させるようになるのです。

スポーツを例に考えてみると分かりやすいです:野球チームのサンフランシスコ・ジャイアンツは、5年間で3回もワールドシリーズのタイトルを獲得しました。根っからの熱狂ファン以外の人は、まさかこのチームが優勝するなんて想像すらしませんでした。しかし、ジャイアンツは、表向きは対戦相手よりも才能が少なかったのですが、それでも3回も優勝したのです。それはまるで、彼らは勝つはずではないことを知らないかのようでした。

では、平均的ではみ出し者の選手たちを、どのようにして世界最高のチームに作り変えることができたのでしょう?彼らには、チームをひとつのユニットとしてしっかりまとめる秘訣を持つリーダーがいたのです。また、全員がチームを信じ、選手同士がお互いのことを気に掛け合っていました。誰もお互いのことを失望させたくないと思っていたのです。彼らのリーダーは、彼らが優勝を信じ、その大胆な目標を達成できるようにすべてを出しきれるようにしました。チームには誰ひとりとしてヒーロー精神(「自分こそヒーローだ」と思う人)を持つプレイヤーはいませんでした。私たちは2014年に、ジャイアンツのマネジャーであるブルース・ボウチーをどれくらい見たでしょうか?ほとんど見なかったでしょう。彼はビジョンを与え、トーンを設定し、その後は必要な時しか口を出さなかったのです。

UXリーダーが目指すべきリーダーシップはこのようなものです。私たちは、リーダーシップは研究やデザインと同じように、学ぶスキルであることを認識していなければなりません。確かに、あるリーダーや研究者、またはデザイナーは他者より優れているでしょう――生まれ持った能力の多い少ないもあります。しかし、誰であってもトレーニングも経験もない素晴らしいUXリーダーなどいないのです。優秀なUXリーダーになるには、自分自身を向上させるために全力を尽くさなければならないのです。

結論

あなたがUXチームのリーダーなら、あなたが、組織に大きな戦略的価値を提供する優秀なリーダーでありたいと願っておられることを期待します。

あなたがUXチームのリーダーなら、あなたが、組織に大きな戦略的価値を提供する優秀なリーダーでありたいと願っておられることを期待します。このコラムは、期待を上回るUXリーダーにどのようにしてなれるかという内容でした。リーダーシップでの成功は、給料がたくさんもらえるとか、出世できるなどのことよりもっと大きなことなのです。是非、「私は、何をしたことで覚えていられたいか」と自問してみてください。それに対し、「組織に変革を起こし、世界を変えたい」と答えられることを願っています。

リーダーシップに関する参考書籍

我々のリーダーシップ・スキルを磨くための探究に役立った書籍をご紹介しておきましょう。