HTML5 でウェブはアプリケーションプラットフォームに(その1)
Google Chrome OS の発表
2009年7月7日、Google は、同社のブラウザである Google Chrome をベースにしたオープンソースのOS、Google Chrome OS を発表しました。
このOSがプリインストールされたPCが市場に登場するのはまだ先のようですが、このOSでは、Windows に代表される従来のパソコン向けOSと違い、アプリケーションは基本的にウェブベースであることを前提としています。ユーザーにとっては、もはやデスクトップアプリケーションとウェブアプリケーションの区別は無くなるのかもしれません。
最近話題の携帯端末 Palm Pre も、ウェブ技術を積極的に採用したプラットフォームとなっています。このように、様々なデバイスのアプリケーション実行環境およびユーザーインターフェース実装環境がウェブベースに置き換えられています。この流れは、今後ますます加速しそうです。
Google Wave
Google Wave(wave.google.com より)
Google Chrome OS の発表に先立ち Google は、2009年5月28日、サンフランシスコで行われていたイベント「Google I/O 2009」の中で、同社が2年をかけて開発した新しいウェブソリューション「Google Wave」を発表しました。デモの中で披露した、リアルタイムなコミュニケーションを可能にするメールとチャットを合わせたようなアプリケーションは、すぐにインターネット上で大きな話題になりました。このデモのビデオをご覧になった方も多いと思います。
Google Wave は、しかし、単なるひとつのアプリケーションを指すものではありません。Google によれば、Google Wave は3つの要素で構成されているといいます。
- Product
- Platform
- Protocol
デモで紹介されたリアルタイムメール(?)アプリケーションはプロダクトとしての一例であり、Google Wave が可能にするユーザーエクスペリエンスを端的に表したものでしかありません。
Google Wave を使ったアプリケーションは、それ自体が既存のウェブサービスをマッシュアップするハブになるという意味で、プラットフォームとも言えます。
そしてこれらを実現するために、 HTTP や SMTP といった従来のプロトコルを拡張するようなサーバーサイドのプログラムも併せて開発されているのだそうです。
Google Wave によるアプリケーションの特徴は、リアルタイム性が非常に高いことです。複数のユーザー同士が、ネットワーク越しにリアルタイムにデータを共有することができます。
これはウェブにおけるインタラクションデザインの幅を大きく広げることになるかもしれません。