カオス・マネジメント
– デザインによるデジタルガバナンスの理論と実践(デザインマネジメントシリーズ)-
リサ・ウェルチマン(著), 篠原稔和(監修), ソシオメディア株式会社(翻訳)
東京電機大学出版局; ISBN-10 4501634405; 4,070円(税込); 212ページ
デザインマネジメントシリーズ第5弾!
前作の『センス&レスポンド – 傾聴と創造による成功する組織の共創メカニズム』に続く、世界における「デザインマネジメントの実践例」を紹介していく取組の二冊目に位置付けられます。
本書は、「デジタルガバナンス」の分野における世界的な先駆者であり、「ソートリーダー(思想的な指導者、その道における第一人者)」の著者による、「デジタルガバナンス」を「デザイン」の力を使って実現するための「理論」と「実践」の指南書です。デジタル領域に関わる組織やプロジェクトが直面する「カオス(混沌)」の状態を, デジタルを活用してどのようにしてガバナンス(統治・支配・管理)していくかについて、詳細なフレームワークと実践例によって解き明かしていきます。
その「理論」編(第1部)は「デザインによるデジタルガバナンスのフレームワーク」で、「デジタルガバナンスの基本」(第1章)、「デジタルチーム構造」(第2章)、「デジタル戦略」(第3章)、「デジタルポリシー」(第4章)、「デジタル標準」(第5章)、「デザイン要因」(第6章)、「デザイン実行」(第7章)、「デザイン意志決定」(第8章)によって構成されます。また、「実践」編(第2部)は「ケーススタディ」として,デザインによるデザインガバナンスを3つの事例(「多国籍B2B」(第9章)、「行政機関」(第10章)」、「高等教育機関」(第11章))を通じて紹介していきます。
目次
- 日本の読者の皆さんへ
- 本書の使い方
- よくある質問(FAQ)
- まえがき
- はじめに
- 第1部 デジタルガバナンスのフレームワークを作る
- 第1章 デジタルガバナンスの基本
- 1.0 はじめに
- 1.1 なぜ「ガバナンス」なのか
- 1.2 デジタルガバナンスとは何か
- 1.3 デジタル戦略
- 1.4 デジタルポリシー
- 1.5 デジタル標準
- 1.6 フレームワークがもたらす力
- 1.7 あなたの組織のデジタルガバナンス:どれだけ悲惨な状況か
- まとめ
- 第2章 あなたの組織のデジタルチーム:どこにいて,何をしているのか
- 2.0 はじめに
- 2.1 デジタルチームとは何か
- 2.2 コアのデジタルチーム
- 2.3 分散したデジタルチーム
- 2.4 委員会,カウンシル,ワーキンググループ
- 2.5 拡張したデジタルチーム
- 2.6 演習:専門領域を確立する
- まとめ
- 第3章 デジタル戦略:専門性と権限を整合させる
- 3.0 はじめに
- 3.1 デジタルに対する組織的な反応
- 3.2 誰がデジタル戦略を定義すべきか
- 3.3 デジタル戦略を個別に策定する必要があるのか
- 3.4 あなたの組織のリーダーはデジタル保守派か,デジタル進歩派か?
- まとめ
- 第4章 デジタルポリシーを確実に前進させる
- 4.0 はじめに
- 4.1 組織内のデジタルポリシーを見つける
- 4.2 ポリシーは退屈だが,標準は退屈ではない
- 4.3 ポリシーの特性
- 4.4 ポリシーの監督責任者を特定する
- 4.5 ポリシーの執筆責任を割り当てる
- 4.6 デジタルポリシーを書く
- 4.7 デジタルポリシーに対する認識を向上させる
- まとめ
- 第5章 デジタル標準をめぐる内紛を収める
- 5.0 はじめに
- 5.1 デジタル標準はなぜ重要なのか
- 5.2 標準の監督責任者を特定する
- 5.3 標準の定義と文書化
- 5.4 標準の伝達
- 5.5 標準の執筆者を特定する
- 5.6 専門家を見つける:助言 vs. 意思決定
- 5.7 演習:助言と意思決定
- まとめ
- 第6章 デジタルガバナンス・デザインの5つの要因
- 6.0 はじめに
- 6.1 5 つの要因
- 6.2 要因1:コーポレートガバナンスのメカニズム
- 6.3 要因2:外部の要求
- 6.4 要因3:インターネットとウェブのガバナンス
- 6.5 要因4:組織の文化
- 6.6 要因5:デジタルプレゼンスの性質
- 6.7 あきらめずに続ける
- まとめ
- 第7章 実行に移す
- 7.0 はじめに
- 7.1 後援者(スポンサー)と擁護者(アドボケイト)を見つける
- 7.2 デザインチームのメンバーを集める
- 7.3 デザインの取り組みを開始する
- 7.4 最後に ― フレームワークを導入する
- まとめ
- 第8章 優れたガバナンスを目指すという意思決定
- 8.0 はじめに
- 8.1 理由1:トランスフォーメーションなど難しすぎる
- 8.2 理由2:我々には重要な地位がある
- 8.3 理由3:我々は十分に利益を挙げている
- 8.4 理由4:難しい人たち
- 8.5 理想的とはいえない状況で前進する
- 8.6 組織内の足並みを揃える
- 8.7 リスクを数量化する
- 8.8 事業機会を強調する
- まとめ
- 第1章 デジタルガバナンスの基本
- 第2部 ケーススタディ
- 第9章 多国籍B2B のケーススタディ
- 9.0 はじめに
- 9.1 フレームワーク導入前の状況
- 9.2 私たちの提案:フレームワークの全体像
- 9.3 所見と提案:デジタルチーム
- 9.4 所見と提案:デジタル戦略およびガバナンスの擁護者
- 9.5 所見と提案:デジタルポリシー
- 9.6 所見と提案:デジタル標準
- 9.7 フレームワークの定義後
- 第10章 行政機関のケーススタディ
- 10.0 はじめに
- 10.1 フレームワーク導入前の状況
- 10.2 私たちの提案:フレームワークの全体像
- 10.3 所見と提案:ウェブチーム
- 10.4 所見と提案:ウェブ戦略およびガバナンスの擁護者
- 10.5 所見と提案:ウェブポリシー
- 10.6 所見と提案:ウェブ標準
- 10.7 2年後
- 第11章 高等教育機関のケーススタディ
- 11.0 はじめに
- 11.1 フレームワーク導入前の状況
- 11.2 私たちの提案:フレームワークの全体像
- 11.3 所見と提案:デジタルチーム
- 11.4 コアのデジタルチーム
- 11.5 所見と提案:デジタル戦略
- 11.6 所見と提案:デジタルポリシー
- 11.7 所見と提案:デジタル標準
- 11.8 その後どうなったか
- 第9章 多国籍B2B のケーススタディ
- おわりに
- 謝 辞
- 監訳者あとがき