参考資料 – ウェブアクセシビリティの背景
インターネットの普及により、物理的な行動に制約の多い障害者でも、様々な情報を瞬時に入手することができるようになりました。しかし、その一方で、注目度を高めるためにイラスト・アニメーション・派手な色彩などのデザイン性を過剰に優先したサイト、制作作業を簡略化した結果、必要な記述要素が欠如しているものなど、障害者・高齢者を軽視したサイトが多くあることは否めません。
たとえば、視覚障害者の多くは「音声ブラウザ」を使用し、ホームページの情報を耳から得ていますが、ALT属性(※1)のない画像は、それが何かを理解できません。また、音声情報は一度に1つの情報しか伝えられないため、健常者がひと目で判断できる表組みやフレーム全体を把握することは難しいなど、多くの問題が発生しているのが現状です。
また、障害者だけに限らず、視力が低下している高齢者にも、小さなサイズの文字が読みづらく、小さなボタンやリンク部分にはマウスポインターが当てにくい、といった問題が発生します。他にも、背景と似通った色の文字は、色覚障害者でなくても読みにくいものです。
最近では、このような現状を解決するために、総務庁などの省庁や地方自治体、一部の民間企業などから、「ウェブアクセシビリティ」に配慮したウェブサイトづくりが徐々に広まりつつあります。障害者、高齢者にも使いやすいウェブサイトは、パソコン初心者をはじめとする健常者にとっても使い勝手がよいと考えられるからです。