モードレスデザイン

意味空間の創造

上野 学(著)
出版社: ビー・エヌ・エヌ; 発売日: 2025/3/19; ISBN-13: 978-4802512794 ; 価格: 3,740円 (税込) ; 単行本: 584ページ

書籍『モードレスデザイン 意味空間の創造』
出版元の書籍紹介

現代の合目的主義的な常識に反して、デザインはモードの束縛を逃れることができる──
OOUI(オブジェクト指向ユーザーインターフェース)の第一人者が、その思想的背景である「モードレス性」について徹底的に考究した、革命的な道具論

多くのデザイナーは、モードを作ることがデザインだと思いがちである。つまり使用者を特定の道筋に誘導することがデザインの役割だと考えてしまうのである。しかしヒューマンインターフェースにおいては、むしろ行動を解放するベクトルでデザインを考えるべきだ。モードレスデザインは、使用者の自由と創造性を拓く。

道具哲学、現代思想、生態学、情報理論など、さまざまな観点に接続しながら、デザインが歩むべき道を現代社会に問い、すべてのデザイナーを鼓舞する蜂起の書。

目次

  • はじめに
  • 1 詩人の態度
    • 主観と客観
    • 存在論的デザイン
    • 物の側から見る
    • スパイラル
    • 問題の外に出る
  • 2 使用すること
    • 中動態
    • 同時
    • ストロー
    • 手許性
  • 3 適合の形
    • デザインはどこにあるのか
    • 矢を射ってから的を描く
    • ブリコラージュ
    • ポイエーシス
  • 4 界面と表象
    • ソフトウェアのソフト性
    • インターフェース
    • 見立て
    • 現象
    • 境界
  • 5 対象と転回
    • オブジェクト指向
    • シンタクティックターン
    • OOUI
  • 6 モードレスネス
    • モードレスデザイン
    • モードレスにする方法
    • Apple とモードレスネス
    • カット/コピー・アンド・ペースト
    • モード追放運動
  • 7 モダリティー
    • 複雑性保存の法則
    • モードとは何か
    • モノトニー
    • モードの必然性
    • 存在論的カテゴリーとモード
    • 環世界とアフォーダンス
    • メタモード
  • 8 道具の純粋さ
    • 意味連関
    • ソフトウェアとしての道具
    • 目的の遅延
    • パッセンジャーとドライバー
    • 直交
    • 形の合成
    • 直観的でないものを作る
  • 9 創造すること
    • アブダクション
    • ゴルディロックス
    • 情報理論的効率性
    • モードレスデザインとエントロピー
    • すべてのものはデザインされている
    • 多態性と創造性
    • 作ることは使うこと
  • 10 解放のためのデザイン
    • 人間のソフトウェア性
    • 海辺の事務員
    • 自ら使用する
    • 道具のリベラリズム
    • モードへの反抗
    • ろばの歩み
    • 意味空間を創造する
  • おわりに