88. ユーザーが自分なりの方法で作業を遂行できまたそれを改善できるようにする
User Can Perform And Improve In Their Way
マニュアルレス(手順が覚えやすい)よりも、モードレス(手順が固定されていない)な道具を作る。道具の使い方を工夫することが創造性の源。そのような人と道具の相互発展を促すデザインを試みる。
Image: apple.com
「iPhone のようにマニュアルを読まなくても簡単に使える製品を作りたい」という言葉を耳にする。それが意味するのは、手順を覚えやすくしたいということだろう。
実際 iPhone でもある程度の前提知識がなければ使い始めることはできない。しかし学習効率が良いので人はそのことを忘れてしまう。
iPhone の学習効率が良いのは、様々なデザイン原則にもとづいてデザインされているからだ。特に GUI の基本である、モードレス性、直接操作性、一貫性、が重視されている。
優れたシステムに対してユーザーが「マニュアルを読まなくても使える」と感じるとすれば、それは手順が覚えやすいからではなく、そもそも手順が固定されていないからなのだ。
ユーザーがシステムを効率よく学習し、自分なりの使い方を工夫してその有効性を高めていけるようにすることが、デザインの役割となる。