検索(Retriever)

データの集合から、特定の条件に合致するオブジェクトを抽出する。
理由:操作や閲覧の対象を他から区別し、ユーザーが認識できるようにするため。

図例
検索機能の例

効能

  • 蓄えられたたくさんのデータの中から特定の目的に合致したものを検索&結果出力するという機能は、コンピュータの利用価値を決定付ける基本的な要素。
  • そのシステムで扱う情報の単位をユーザーが意識できる。
  • システムが特定の条件で自動的に検索&結果出力を行うことで、ユーザーにとっての情報の全体像を形づくることができる
  • システムの利用開始時もしくはある操作段階で、検索条件入力の画面を表示することによって、そのシステムがある条件に合致した情報を呼び出すためのものであること、あるいはそうして呼び出したオブジェクトを対象に作業するものであることを表現できる。
  • 検索条件が変更されても同じ出力フォーマットでオブジェクトを扱うことができる。

用法

  • 蓄積されたデータを、ユーザーが理解しやすい概念でまとめたオブジェクト単位で扱えるようにする。ユーザーが条件を指定して、その条件に合致するオブジェクト群を一覧できるようにする。これらがユーザーにとっての閲覧/操作の対象となるようにする。
  • ユーザーにはじめからある条件に合致するオブジェクト群を見せたい場合には、システムの利用開始時に自動的に検索&結果出力する。例えば、パソコンの起動時には、デスクトップディレクトリーにあるファイルが自動的に検索されて、画面上に表示される。またEメールソフトでは、受信済みメールが自動的に検索されて「受信箱」画面にリストされる。
  • できるだけ、そのシステムで扱われる基本的なオブジェクトを、ユーザーが任意の条件で自由に抽出できるようにする。
  • 選択肢を一覧表示してクリックで選ぶなど、条件指定はシンプルに行えるようにする。
  • 複合的あるいは高度な検索機能は、あらかじめ見せずに必要なユーザーだけが呼び出せるようにする。
  • 検索履歴を使った検索ができるようにする。
  • 複雑な条件指定が多用される場合は、あらかじめ条件のセットを用意するか、ユーザーが登録できるようにする。

蘊蓄

ほとんどのシステムには何らかの検索機能が含まれる。検索には、ユーザーが能動的に検索キーワードや条件指定を行うものと、あらかじめ決められた条件に従って(検索が実行されているということをユーザーが意識することなく)自動的に検索結果が表示されるものがある。また、検索行為自体がそのシステムの主な用途である場合もあるし、検索行為はあくまで操作対象とするオブジェクトを抽出するという準備作業である場合もある。