マルチウィンドウ

データや機能をウィンドウ単位で提示し、それらを複数同時に表示する。ウィンドウ同士を重ねて表示し(オーバーラッピングウィンドウ)、現在のフォーカス位置や作業の段階を表現する。
理由:データオブジェクトのインスタンスを同時に複数開いて作業できるようにするため。あるいは、モーダルな手続きを一時的に現れるモーダルダイアログとして表現し、手続きを終えてもとの作業に戻る感覚を自然に表現するため。

図例
部分的に重なり合うマルチウィンドウ

効能

  • 操作対象の切り替えを、画面の遷移ではなくウィンドウのフォーカス切り替えによって表現できるので、モードレスインタラクションを実現できる。
  • デスクトップメタファーもしくはファイルの概念を GUI 上で自然に表現できる。
  • ファイル間のデータコピーなどが容易になる。
  • あるウィンドウの上に重ねるようにダイアログを表示すれば、ユーザーは下のウィンドウを参照しながらダイアログ内の操作を行うことができる。
  • 機能モジュール単位でウィンドウクラスを作ることで、操作の流れの中にモジュールを挿入しやすい。

用法

  • 1ファイルを1ウィンドウとして表現する。
  • あるいは1業務を1ウィンドウとして表現する。
  • ウィンドウ間でのコピー&ペースト、ドラッグ&ドロップを可能にする。
  • モードレスなウィンドウの場合、ウィンドウ間を、いつでも自由に行き来できるようにする。
  • モーダルなウィンドウ(モーダルダイアログ)の場合、もとの作業に戻るためのアクションを明示する。例えば、「OK」「キャンセル」といったボタンを一定の場所に配置する。
  • 各ウィンドウの、サイズの伸縮 ができるようにする。
  • どのウィンドウが最前面にあるのか(操作可能なのか)を、分かりやすく表示する。例えば、最前面のウィンドウに対してドロップシャドウを強くかける。
  • 開いているウィンドウを一覧し、必要なウィンドウを選択できるようにすると便利。(Mac の Exposé や Windows のフリップ3Dを参考に。)

図例
全体が重なり合うマルチウィンドウ

図例
マルチウィンドウの一覧と選択

注意書き